取引先の反社認定

企業にとって自社が反社認定されないことはもちろん、取引先が反社認定されないことも極めて重大な点です。

取引先が「反社会的勢力である」との社会的評価(レッテル)を受けて、その経済活動が停止・低迷すれば、自社からみれば取引先の倒産リスクが高まることを意味します。また、取引先との関係が密接であれば、取引先のレッテル(ないしレピュテーション)は自社へも波及する結果、自社のレピュテーション・リスクが高まることも考えられるからです。

さらには、取引先に接近した反社会的勢力は、その取引先を介して自社とも間接的な取引関係を築いたといえるわけで、その反社会的勢力が自社ヘアプローチし、不当要求へと発展していく可能性(不当要求リスク)も高まるでしょう。

このように、経済取引社会における隣人が反社認定されたことにより生じうる被害を「反社認定の連鎖被害」と分類できます。

連鎖被害対策

基本契約書に反社会的勢力排除条項

反社認定の連鎖被害に備える対策としては、取引先の反社リスクを自社へ波及させないために、取引先との基本契約書に反社会的勢力排除条項を完備し、有事の際にはいつでも取引関係を終了させることができる体制をつくっておくことが考えられます。また、取引に際して反社会的勢力でないことを確認し、必要に応じて「反社会的勢力でないことの表明・確約書」を差し入れさせておけば、有事の際に直ちに契約解除に踏み切ることができるでしょう。

ホームページの反社決別宣言

反社リスクに強い会社にするためには、まずは反社会的勢力との決別を内外に宣言することから始めましょう。実際に、反社決別宣言を公式ホームページ(ウェブサイト)などで対外的に公表している企業は少なくありません。

暴力団排除条項に基づく契約解除

反社会的勢力からのアプローチに備えて、社内に対応マニュアルを整備すること、さらにはそのマニュアルどおりに対応できるよう訓練することも重要です。社内で使用する取引契約書には反社排除条項を入れて、さらに、取引先から反社会的勢力でないことの確約・表明も受けましょう。そうすれば、反社会的勢力と知らずに取引関係に入ってしまった場合でも、その暴力団排除条項を適用して契約の解除や無効を主張することができます。

反社評価

間違っても自社が反社評価を受けることがないように、考えうる反社会的勢力排除の方策はすべて実践しましょう。また、自社だけでなく、自社の取引先に対しても反社会的勢力排除体制がとられているかも気を配る必要があります。

反社会的勢力とのかかわりを断ち、反社会的勢力とはできるだけ遠い距離を保ちましょう。

コンプライアンス委員会の設置

より積極的な反社会的勢力排除対策も考えられます。それは、「反社会的勢力に与しない」「アンチ反社」という企業イメージ・企業ブランドを創り上げて、それを外部へ発信し続けることです。そのためには、強度な反社会的勢力排除体制を確立し、維持し続けることが前提ですし、不断の努力で改善し続けること重要です。アイデアの1つとして、コンプライアンス委員会をつくって、反社会的勢力排除を中心とした法令遵守に取り組ませることもあります。

アンチ反社の企業ブランド

こういった反社会的勢力排除の取組みも外部に発信し続けるというイメージ戦略の先に、「アンチ反社」の企業ブランドが生まれるでしょう。

反社リスクに強い会社となるためには、常に反社会的勢力と距離をおき、反社会的勢力とのかかわりが生じうる可能性が極小化するような不断の努力が求められるのです。